入院基本料

【練習用】入院料等通則

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入院料等通則

1 健康保険法第63条第1項第5号及び高齢者医療確保法第64条第1項第5号による入院及び看護の費用は、第1節から第4節までの各区分の所定点数により算定する。この場合において、特に規定する場合を除き、通常必要とされる療養環境の提供、看護及び医学的管理に要する費用は、第1節、第3節又は第4節の各区分の所定点数に含まれるものとする。

2 同一の保険医療機関において、同一の患者につき、第1節の各区分に掲げる入院基本料(特別入院基本料、月平均夜勤時間超過減算、夜勤時間特別入院基本料及び重症患者割合特別入院基本料(以下「特別入院基本料等」という。)を含む。)、第3節の各区分に掲げる特定入院料及び第4節の各区分に掲げる短期滞在手術等基本料を同一の日に算定することはできない。

3 別に厚生労働大臣が定める患者の場合には、特別入院基本料等、区分番号A108に掲げる有床診療所入院基本料又は区分番号A109に掲げる有床診療所療養病床入院基本料を算定する場合を除き、入院日から起算して5日までの間は、区分番号A400の3に掲げる短期滞在手術等基本料3を算定し、6日目以降は第1節の各区分に掲げる入院基本料(特別入院基本料等を含む。)又は第3節の各区分に掲げる特定入院料のいずれかを算定する。

4 歯科診療及び歯科診療以外の診療を併せて行う保険医療機関にあっては、当該患者の主傷病に係る入院基本料(特別入院基本料等を含む。)、特定入院料又は短期滞在手術等基本料を算定する。

5 第1節から第4節までに規定する期間の計算は、特に規定する場合を除き、保険医療機関に入院した日から起算して計算する。ただし、保険医療機関を退院した後、同一の疾病又は負傷により、当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に入院した場合には、急性増悪その他やむを得ない場合を除き、最初の保険医療機関に入院した日から起算して計算する。

6 別に厚生労働大臣が定める入院患者数の基準又は医師等の員数の基準に該当する保険医療機関の入院基本料については、別に厚生労働大臣が定めるところにより算定する。

7 入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策及び栄養管理体制について、別に厚生労働大臣が定める基準を満たす場合に限り、第1節(特別入院基本料等を含む。)及び第3節の各区分に掲げる入院料の所定点数を算定する。

8 7に規定する別に厚生労働大臣が定める基準のうち、栄養管理体制に関する基準を満たすことができない保険医療機関(診療所を除き、別に厚生労働大臣が定める基準を満たすものに限る。)については、第1節(特別入院基本料等を除く。)、第3節及び第4節(短期滞在手術等基本料1を除く。)の各区分に掲げるそれぞれの入院基本料、特定入院料又は短期滞在手術等基本料の所定点数から1日につき40点を減算する。

通知

1 入院基本料、特定入院料及び短期滞在手術等基本料は、基本的な入院医療の体制を評価するものであり、療養環境(寝具等を含む。)の提供、看護師等の確保及び医学的管理の確保等については、医療法の定めるところによる他、「病院、診療所等の業務委託について(平成5年2月15 日指第14 号)」等に従い、適切に実施するものとし、これに要する費用は、特に規定する場合を除き、入院基本料、特定入院料及び短期滞在手術等基本料に含まれる。

2 1に規定する他、寝具等について次の基準のいずれかに該当しない場合には、入院基本料、特定入院料、短期滞在手術等基本料は算定できない。

(1) 患者の状態に応じて寝具類が随時利用できるよう用意されていること。なお、具備されるべき寝具は、敷布団(マットレスパッドを含む。)、掛布団(毛布、タオルケット、綿毛布を含む。)、シーツ類、枕、枕覆等である。

(2) 寝具類が常時清潔な状態で確保されていること。シーツ類は、週1回以上の交換がなされていること。

(3) 消毒は必要の都度行われていること。

3 入院期間の確認について(入院料の支払要件)

(1) 保険医療機関の確認等

ア 保険医療機関は、患者の入院に際し、患者又はその家族等に対して当該患者の過去3か月以内の入院の有無を確認すること。過去3か月以内に入院がある場合は、入院の理由を確認すること。同一傷病による入院である場合には前保険医療機関における入院期間、算定入院基本料等及び入院に係る傷病名を当該患者の前保険医療機関又は保険者に照会し、当該保険医療機関の入院初日に追加される選定療養に係る入院期間及び当該患者の入院が選定療養に該当するか否かを確認すること。

イ 保険医療機関は、当該患者の退院に際しては、他保険医療機関からの当該患者の入院履歴に係る問い合わせに対し速やかに対応できるよう必要な体制を整えておくこと。円滑な運用のために別紙様式1又はこれに準ずる様式による文書を退院証明書として患者に渡すことが望ましい。

ウ ア、イに定める確認等を怠っている場合は、入院料は算定できないものであること。

(2) 入院患者の申告等

患者は、入院に際しては、保険医療機関からの求めに応じ、自己の入院履歴を申告すること。なお、虚偽の申告等を行った場合は、それにより発生する損失について、後日費用徴収が行われる可能性があるものである。

4 1日入院

眼科、耳鼻科等において手術を行い、同一の日に入院及び退院した場合、医師が入院の必要を認めて病室に入院させて入院医療が行われた場合にあっては、入院基本料又は特定入院料を算定できるが、単なる覚醒、休養等の目的で入院させた場合は、入院基本料又は特定入院料は算定しない。なお、短期滞在手術等基本料については、第4節に規定するところによる。

5 入院中の患者の他医療機関ヘの受診

(1) 入院中の患者が、当該入院の原因となった傷病以外の傷病に罹患し、入院している保険医療機関(以下本項において「入院医療機関」という。)以外での診療の必要が生じた場合は、他の保険医療機関(以下本項において「他医療機関」という。)へ転医又は対診を求めることを原則とする。

(2) 入院中の患者(DPC算定病棟に入院している患者を除く。)に対し他医療機関での診療が必要となり、当該入院中の患者が他医療機関を受診した場合(当該入院医療機関にて診療を行うことができない専門的な診療が必要となった場合等のやむを得ない場合に限る。)は、他医療機関において当該診療に係る費用を算定することができる。ただし、短期滞在手術等基本料3、医学管理等(診療情報提供料を除く。)、在宅医療、投薬、注射(当該専門的な診療に特有な薬剤を用いた受診日の投薬又は注射に係る費用を除き、処方料、処方箋料及び外来化学療法加算を含む。)及びリハビリテーション(言語聴覚療法に係る疾患別リハビリテーション料を除く。)に係る費用は算定できない。

(3) (2)のただし書にかかわらず、出来高入院料を算定する病床に入院している患者の場合には、他医療機関における診療に要する費用のうち、当該専門的な診療に特有な薬剤を用いた投薬に係る費用は算定できる。

(4) 本通則において、出来高入院料とは、特定入院料、一般病棟入院基本料(「注11」の規定により療養病棟入院料1の例により算定する場合に限る。)、特定機能病院入院基本料(「注9」の規定により療養病棟入院料1の例により算定する場合に限る。)、専門病院入院基本料(「注8」の規定により療養病棟入院料1の例により算定する場合に限る。)、療養病棟入院基本料、障害者施設等入院基本料(「注6」又は「注12」の例により算定する場合に限る。)、有床診療所療養病床入院基本料及び特定入院基本料(以下本通則において「特定入院料等」という。)を除く入院基本料をいう。

(5) 入院中の患者が他医療機関を受診する場合には、入院医療機関は、当該他医療機関に対し、当該診療に必要な診療情報(当該入院医療機関での算定入院料及び必要な診療科を含む。)を文書により提供する(これらに要する費用は患者の入院している保険医療機関が負担するものとする。)とともに、診療録にその写しを添付すること。

(6) (2)の規定により入院中の患者が他医療機関を受診する日の入院医療機関における診療報酬の算定については、以下のとおりとすること。この場合において、1点未満の端数があるときは、小数点以下第一位を四捨五入して計算すること。

ア 入院医療機関において、当該患者が出来高入院料を算定している場合は、出来高入院料は当該出来高入院料の基本点数の10%を控除した点数により算定すること。ただし、他医療機関において、区分番号「E101」シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影、区分番号「E101-2」ポジトロン断層撮影、区分番号「E101-3」ポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影、区分番号「E101-4」ポジトロン断層・磁気共鳴コンピューター断層複合撮影、区分番号「E101-5」乳房用ポジトロン断層撮影、区分番号「M001」体外照射の3の強度変調放射線治療(IMRT)、区分番号「M001-2」ガンマナイフによる定位放射線治療、区分番号「M001-3」直線加速器による放射線治療の1の定位放射線治療の場合又は区分番号「M001-4」粒子線治療に係る費用を算定する場合は、出来高入院料は当該出来高入院料の基本点数の5%を控除した点数により算定すること。

イ 入院医療機関において、当該患者が特定入院料等を算定している場合であって、当該他医療機関において特定入院料等に含まれる診療に係る費用(特掲診療料に限る。)を算定する場合は、特定入院料等は、当該特定入院料等の基本点数の40%を控除した点数(他医療機関において、区分番号「E101」シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影、区分番号「E101-2」ポジトロン断層撮影、区分番号「E101-3」ポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影、区分番号「E101-4」ポジトロン断層・磁気共鳴コンピューター断層複合撮影、区分番号「E101-5」乳房用ポジトロン断層撮影、区分番号「M001」体外照射の3の強度変調放射線治療(IMRT)、区分番号「M001-2」ガンマナイフによる定位放射線治療、区分番号「M001-3」直線加速器による放射線治療の1の定位放射線治療の場合又は区分番号「M001-4」粒子線治療に係る費用を算定する場合は、特定入院料等は当該特定入院料等の基本点数の35%を控除した点数)により算定すること。ただし、有床診療所療養病床入院基本料、精神療養病棟入院料、認知症治療病棟入院料又は地域移行機能強化病棟入院料を算定している場合は、当該特定入院料等の基本点数の20%を控除した点数(他医療機関において、区分番号「E101」シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影、区分番号「E101-2」ポジトロン断層撮影、区分番号「E101-3」ポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影、区分番号「E101-4」ポジトロン断層・磁気共鳴コンピューター断層複合撮影、区分番号「E101-5」乳房用ポジトロン断層撮影、区分番号「M001」体外照射の3の強度変調放射線治療(IMRT)、区分番号「M001-2」ガンマナイフによる定位放射線治療、区分番号「M001-3」直線加速器による放射線治療の1の定位放射線治療の場合又は区分番号「M001-4」粒子線治療に係る費用を算定する場合は、特定入院料等は当該特定入院料等の基

本点数の15%を控除した点数)により算定すること。

ウ 入院医療機関において、当該患者が特定入院料等を算定している場合であって、当該他医療機関において特定入院料等に含まれる診療に係る費用(特掲診療料に限る。)を算定しない場合は、特定入院料等は、当該特定入院料等の基本点数の10%を控除した点数により算定すること。ただし、他医療機関において、区分番号「E101」シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影、区分番号「E101-2」ポジトロン断層撮影、区分番号「E101-3」ポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影、区分番号「E101-4」ポジトロン断層・磁気共鳴コンピューター断層複合撮影、区分番号「E101-5」乳房用ポジトロン断層撮影、区分番号「M001」体外照射の3の強度変調放射線治療(IMRT)、区分番号「M001-2」ガンマナイフによる定位放射線治療、区分番号「M001-3」直線加速器による放射線治療の1の定位放射線治療の場合又は区分番号「M001-4」粒子線治療に係る費用を算定する場合は、特定入院料等は当該特定入院料等の基本点数の5%を控除した点数により算定すること。

エ 他医療機関において当該診療に係る費用を一切算定しない場合には、他医療機関において実施された診療に係る費用は、入院医療機関において算定し、入院基本料等の基本点数は控除せずに算定すること。この場合において、入院医療機関で算定している入院料等に包括されている診療に係る費用は、算定できない。なお、この場合の医療機関間での診療報酬の分配は、相互の合議に委ねるものとする。

(7) 他医療機関において診療を行った場合には、入院医療機関から提供される当該患者に係る診療情報に係る文書を診療録に添付するとともに、診療報酬明細書の摘要欄に「入院医療機関名」、「当該患者の算定する入院料」、「受診した理由」、「診療科」及び「○他(受診日数:○日)」を記載すること。

(8) 入院医療機関においては、診療報酬明細書の摘要欄に、「他医療機関を受診した理由」、「診療科」及び「○他(受診日数:○日)」を記載すること。ただし、(6)のウの特定入院料等を10%減算する場合(ただし書に該当し5%減算する場合を含む。)には、他医療機関のレセプトの写しを添付すること。

(9) 入院中の患者(DPC算定病棟に入院している患者であって「診療報酬の算定方法」により入院料を算定する患者に限る。)に対し他医療機関での診療が必要となり、当該入院中の患者が他医療機関を受診した場合(当該入院医療機関にて診療を行うことができない専門的な診療が必要となった場合等のやむを得ない場合に限る。)の他医療機関において実施された診療に係る費用は、入院医療機関の保険医が実施した診療の費用と同様の取扱いとし、入院医療機関において算定すること。なお、この場合の医療機関間での診療報酬の分配は、相互の合議に委ねるものとする。

6 外泊期間中の入院料等

(1) 入院患者の外泊期間中の入院料等については、入院基本料(療養病棟入院基本料を算定する療養病棟にあっては、外泊前日の入院基本料)の基本点数の15%又は特定入院料の15%を算定するが、精神及び行動の障害の患者について治療のために外泊を行わせる場合は更に15%を算定できる。ただし、入院基本料の基本点数又は特定入院料の30%を算定することができる期間は、連続して3日以内に限り、かつ月(同一暦月)6日以内に限る。

外泊中の入院料等を算定する場合においては、その点数に1点未満の端数があるときは、小数点以下第一位を四捨五入して計算するものとする。

なお、当該外泊期間は、7の入院期間に算入する。

(2) 入院中の患者が在宅医療に備えて一時的に外泊するに際して、当該在宅医療に関する指導管理が行われた場合は、(1)に規定する点数に加えて、区分番号「C100」に掲げる

退院前在宅療養指導管理料を、外泊初日に1回に限り算定できる。

7 入院期間の計算

(1) 入院の日とは、入院患者の保険種別変更等の如何を問わず、当該保険医療機関に入院した日をいい、保険医療機関ごとに起算する。

また、A傷病により入院中の患者がB傷病に罹り、B傷病についても入院の必要がある場合(例えば、結核で入院中の患者が虫垂炎で手術を受けた場合等)又はA傷病が退院できる程度に軽快した際に他の傷病に罹り入院の必要が生じた場合においても、入院期間はA傷病で入院した日を起算日とする。

(2) (1)にかかわらず、保険医療機関を退院後、同一傷病により当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に入院した場合の入院期間は、当該保険医療機関の初回入院日を起算日として計算する。

ただし、次のいずれかに該当する場合は、新たな入院日を起算日とする。

ア 1傷病により入院した患者が退院後、一旦治癒し若しくは治癒に近い状態までになり、その後再発して当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に入院した場合

イ 退院の日から起算して3月以上(難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26 年

法律第50 号)第5条第1項に規定する指定難病(同法第7条第4項に規定する医療受給者証を交付されている患者(同条第1項各号に規定する特定医療費の支給認定に係る基準を満たすものとして診断を受けたものを含む。)に係るものに限る。)又は「特定疾患治療研究事業について」(昭和48 年4月17 日衛発第242 号)に掲げる疾患(当該疾患に罹患しているものとして都道府県知事から受給者証の交付を受けているものに限る。ただし、スモンについては過去に公的な認定を受けたことが確認できる場合等を含む。)に罹患している患者については1月以上)の期間、同一傷病について、いずれの保険医療機関に入院又は介護老人保健施設に入所(短期入所療養介護費を算定すべき入所を除く。)することなく経過した後に、当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に入院した場合

(3) 「特別の関係」とは、次に掲げる関係をいう。

ア 当該保険医療機関等と他の保険医療機関等の関係が以下のいずれかに該当する場合に、当該保険医療機関等と当該他の保険医療機関等は特別の関係にあると認められる。

(イ) 当該保険医療機関等の開設者が、当該他の保険医療機関等の開設者と同一の場合

(ロ) 当該保険医療機関等の代表者が、当該他の保険医療機関等の代表者と同一の場合

(ハ) 当該保険医療機関等の代表者が、当該他の保険医療機関等の代表者の親族等の場合

(ニ) 当該保険医療機関等の理事・監事・評議員その他の役員等のうち、当該他の保険医療機関等の役員等の親族等の占める割合が10 分の3を超える場合

(ホ) (イ)から(ニ)までに掲げる場合に準ずる場合(人事、資金等の関係を通じて、当該保険医療機関等が、当該他の保険医療機関等の経営方針に対して重要な影響を与えることができると認められる場合に限る。)

イ 「保険医療機関等」とは、保険医療機関である病院若しくは診療所、介護老人保健施設又は指定訪問看護事業者をいう。

ウ 「親族等」とは、親族関係を有する者及び以下に掲げる者をいう。

(イ) 事実上婚姻関係と同様の事情にある者

(ロ) 使用人及び使用人以外の者で当該役員等から受ける金銭その他の財産によって生計を維持しているもの

(ハ) (イ)又は(ロ)に掲げる者の親族でこれらの者と生計を一にしているもの

8 病棟移動時の入院料

同一保険医療機関内の病棟(病室及び治療室を含む。)から病棟(病室及び治療室を含む。)

に移動した日の入院料の算定については、移動先の病棟(病室及び治療室を含む。)の入院料(入院基本料又は特定入院料)を算定する。

9 退院時処方に係る薬剤料の取扱い

投薬に係る費用が包括されている入院基本料(療養病棟入院基本料等)又は特定入院料(特殊疾患病棟入院料等)を算定している患者に対して、退院時に退院後に在宅において使用するための薬剤(在宅医療に係る薬剤を除く。)を投与した場合は、当該薬剤に係る費用(薬剤料に限る。)は、算定できる。

10 定数超過入院に該当する保険医療機関、医療法に定める人員標準を著しく下回る保険医療機関の取扱いについては、「厚生労働大臣の定める入院患者数の基準及び医師等の員数の基準並びに入院基本料の算定方法」(平成18 年厚生労働省告示第104 号)に基づくものとし、その具体的な取扱いについては別途通知する。

11 入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策及び栄養管理体制について、別に厚生労働大臣が定める基準に適合している場合に限り入院基本料(特別入院基本料、月平均夜勤時間超過減算、夜勤時間特別入院基本料及び重症患者割合特別入院基本料(以下「特別入院基本料等」という。)及び特定入院基本料を含む。)、特定入院料又は短期滞在手術等基本料3の算定を行うものであり、基準に適合していることを示す資料等を整備しておく必要がある。

12 救急患者として受け入れた患者が、処置室、手術室等において死亡した場合は、当該保険医療機関が救急医療を担う施設として確保することとされている専用病床(区分番号「A205」救急医療管理加算又は区分番号「A300」救命救急入院料を算定する病床に限る。)に入院したものとみなすものであること。

13 退院が特定の時間帯に集中している場合の入院基本料の算定について

(1) 以下のいずれも満たす病棟を有する保険医療機関を対象とする。

ア 一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料を算定している病棟を有する保険医療機関であること。

イ 当該病棟の退院全体のうち、正午までに退院するものの割合が9割以上の保険医療機

関であること。

(2) 減算の対象となる入院基本料は、一般病棟入院基本料(特別入院基本料等を含む。)、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料のうち、当該病棟に30日を超えて入院している者の退院日の入院基本料であって、以下のいずれも満たすものとする。

ア 退院日に1,000 点以上の処置又は手術を算定していないもの

イ 入退院支援加算を算定していないもの

(3) (1)のイに係る計算式は退院日に一般病棟入院基本料(特別入院基本料等を含む。)、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料を算定している患者を対象として、以下のいずれかの方法によること。

ア 電子カルテ等で退院時間が明らかな場合については、以下により算定する。1月当たりの当該病棟の退院患者のうち、正午以前に退院した患者数/1月当たりの退院患者数

イ 退院時間が明らかでない場合は、毎月16 日を含む1週間(例えば16 日が火曜日の場合は14 日(日)から20 日(土)までの7日間)に当該病棟を退院した患者を対象とし、該当する退院患者の退院日、退院日前日の食事回数をもとに以下により算定する。

(退院日前日に退院患者に提供した夕食数-退院日に退院患者に提供した昼食数)/

退院日前日に退院患者に提供した夕食数

ウ ア又はイのいずれかの方法により、直近6か月の月ごとの割合を算定し、当該6か月のいずれも9割以上の場合、翌月から(2)に該当する入院基本料は、所定点数の100 分の92 に相当する点数により算定する。

14 入院日及び退院日が特定の日に集中している場合の入院基本料の算定について

(1)以下のいずれも満たす保険医療機関を対象とする。

ア 一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料を算定している病棟を有する保険医療機関

イ アに掲げる病棟の入院全体のうち金曜日に入院したものの割合と、退院全体のうち月曜日に退院したものの割合の合計が40%以上の保険医療機関

(2) 減算の対象となる入院基本料は、金曜日に入院した患者の入院基本料(一般病棟入院基本料(特別入院基本料等を含む。)、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料をいう。以下この項において同じ。)又は月曜日に退院した患者の入院基本料とするが、金曜日に入院した患者については、入院日直後の土曜日及び日曜日の入院基本料であって、当該日に1,000 点以上の処置又は手術を伴わないものであり、月曜日に退院した患者については、退院日直前の土曜日及び日曜日の入院基本料であって、当該日に1,000 点以上の処置又は手術を伴わないものとする。金曜日に入院し、月曜日に退院した患者については、要件を満たす入院日直後の土曜日及び日曜日、退院日直前の土曜日及び日曜日のいずれも減算の対象となる。なお、金曜日に入院し、その直後の月曜日に退院した患者については、要件を満たす土曜日及び日曜日の入院基本料は所定点数の100 分の92 に相当する点数により算定することとする。

(3) (1)イに係る計算式は入院患者は入院日に一般病棟入院基本料(特別入院基本料等を含む)、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料を算定している患者、退院患者は退院日に一般病棟入院基本料(特別入院基本料等を含む。)、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料を算定している患者を対象として、以下の方法による。

(1月当たりの金曜日入院患者数/1月当たりの全入院患者数)×100

+(1月当たりの月曜日退院患者数/1月当たりの全退院患者数)×100

直近6か月の月ごとの割合を算定し、当該6か月のいずれも4割以上の場合、翌月より

(2)に該当する入院基本料を減算する。

15 算定回数が「週」単位又は「月」単位とされているものについては、特に定めのない限り、それぞれ日曜日から土曜日までの1週間又は月の初日から月の末日までの1か月を単位として算定する。

施設基準

第1 入院基本料(特別入院基本料、月平均夜勤時間超過減算、夜勤時間特別入院基本料及び重症患者割合特別入院基本料(以下「特別入院基本料等」という。)及び特定入院基本料を含む。)及び特定入院料に係る入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策及び栄養管理体制の基準入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策及び栄養管理体制の基準は、「基本診療料の施設基準等」の他、次のとおりとする。

1 入院診療計画の基準

(1) 当該保険医療機関において、入院診療計画が策定され、説明が行われていること。

(2) 入院の際に、医師、看護師、その他必要に応じ関係職種が共同して総合的な診療計画を策定し、患者に対し、別添6の別紙2又は別紙2の3を参考として、文書により病名、症状、治療計画、検査内容及び日程、手術内容及び日程、推定される入院期間等について、入院後7日以内に説明を行うこと。ただし、高齢者医療確保法の規定による療養の給付を提供する場合の療養病棟における入院診療計画については、別添6の別紙2の2を参考にすること。なお、当該様式にかかわらず、入院中から退院後の生活がイメージできるような内容であり、年月日、経過、達成目標、日ごとの治療、処置、検査、活動・安静度、リハビリ、食事、清潔、排泄、特別な栄養管理の必要性の有無、教育・指導(栄養・服薬)・説明、退院後の治療計画、退院後の療養上の留意点が電子カルテなどに組み込まれ、これらを活用し、患者に対し、文書により説明が行われている場合には、各保険医療機関が使用している様式で差し支えない。

(3) 入院時に治療上の必要性から患者に対し、病名について情報提供し難い場合にあっては、可能な範囲において情報提供を行い、その旨を診療録に記載すること。

(4) 医師の病名等の説明に対して理解できないと認められる患者(例えば小児、意識障害患者)については、その家族等に対して行ってもよい。

(5) 説明に用いた文書は、患者(説明に対して理解できないと認められる患者についてはその家族等)に交付するとともに、その写しを診療録に添付するものとすること。

(6) 入院期間が通算される再入院の場合であっても、患者の病態により当初作成した入院診療計画書に変更等が必要な場合には、新たな入院診療計画書を作成し、説明を行う必要があること。

2 院内感染防止対策の基準

(1) 当該保険医療機関において、院内感染防止対策が行われていること。

(2) 当該保険医療機関において、院内感染防止対策委員会が設置され、当該委員会が月1回程度、定期的に開催されていること。なお、当該委員会を対面によらない方法で開催しても差し支えない。

(3) 院内感染防止対策委員会は、病院長又は診療所長、看護部長、薬剤部門の責任者、検査部門の責任者、事務部門の責任者、感染症対策に関し相当の経験を有する医師等の職員から構成されていること(診療所においては各部門の責任者を兼務した者で差し支えない。)。

(4) 当該保険医療機関内において(病院である保険医療機関においては、当該病院にある検査部において)、各病棟(有床診療所においては、当該有床診療所の有する全ての病床。以下この項において同じ。)の微生物学的検査に係る状況等を記した「感染情報レポート」が週1回程度作成されており、当該レポートが院内感染防止対策委員会において十分に活用される体制がとられていること。当該レポートは、入院中の患者からの各種細菌の検出状況や薬剤感受性成績のパターン等が病院又は有床診療所の疫学情報として把握、活用されることを目的として作成されるものであり、各病棟からの拭き取り等による各種細菌の検出状況を記すものではない。

(5) 院内感染防止対策として、職員等に対し流水による手洗いの励行を徹底させるとともに、各病室に水道又は速乾式手洗い液等の消毒液が設置されていること。ただし、精神病棟、小児病棟等においては、患者の特性から病室に前項の消毒液を設置することが適切でないと判断される場合に限り、携帯用の速乾式消毒液等を用いても差し支えないものとする。

3 医療安全管理体制の基準

(1) 当該保険医療機関において、医療安全管理体制が整備されていること。

(2) 安全管理のための指針が整備されていること。

安全管理に関する基本的な考え方、医療事故発生時の対応方法等が文書化されていること。

(3) 安全管理のための医療事故等の院内報告制度が整備されていること。

院内で発生した医療事故、インシデント等が報告され、その分析を通した改善策が実施される体制が整備されていること。

(4) 安全管理のための委員会が開催されていること。

安全管理の責任者等で構成される委員会が月1回程度開催されていること。なお、安全管理の責任者が必ずしも対面でなくてよいと判断した場合においては、当該委員会を対面によらない方法で開催しても差し支えない。

(5) 安全管理の体制確保のための職員研修が開催されていること。

安全管理のための基本的考え方及び具体的方策について職員に周知徹底を図ることを目的とするものであり、研修計画に基づき、年2回程度実施されていること。

4 褥瘡対策の基準

(1) 当該保険医療機関において、褥瘡対策が行われていること。

(2) 当該保険医療機関において、褥瘡対策に係る専任の医師及び褥瘡看護に関する臨床経験を有する専任の看護職員から構成される褥瘡対策チームが設置されていること。

(3) 当該保険医療機関における日常生活の自立度が低い入院患者につき、別添6の別紙3を参考として褥瘡に関する危険因子の評価を行い、褥瘡に関する危険因子のある患者及び既に褥瘡を有する患者については、(2)に掲げる専任の医師及び専任の看護職員が適切な褥瘡対策の診療計画の作成、実施及び評価を行うこと。ただし、当該医師及び当該看護職員が作成した診療計画に基づくものであれば、褥瘡対策の実施は、当該医師又は当該看護職員以外であっても差し支えない。また、様式については褥瘡に関する危険因子評価票と診療計画書が別添6の別紙3のように1つの様式ではなく、それぞれ独立した様式となっていても構わない。

(4) 褥瘡対策の診療計画における薬学的管理に関する事項及び栄養管理に関する事項については、当該患者の状態に応じて記載すること。必要に応じて、薬剤師又は管理栄養士と連携して、当該事項を記載すること。なお、診療所において、薬学的管理及び栄養管理を実施している場合について、当該事項を記載しておくことが望ましい。

(5) 栄養管理に関する事項については、栄養管理計画書をもって記載を省略することができること。ただし、この場合は、当該栄養管理計画書において、体重減少、浮腫の有無等の別添6の別紙3に示す褥瘡対策に必要な事項を記載していること。

(6) 褥瘡対策チームの構成メンバー等による褥瘡対策に係る委員会が定期的に開催されていることが望ましい。

(7) 患者の状態に応じて、褥瘡対策に必要な体圧分散式マットレス等を適切に選択し使用する体制が整えられていること。

(8) 毎年7月において、褥瘡患者数等について、別添7の様式5の4により届け出ること。

5 栄養管理体制の基準

(1) 当該病院である保険医療機関(特別入院基本料等を算定する病棟のみを有するものを除く。)内に、常勤の管理栄養士が1名以上配置されていること。

(2) 管理栄養士をはじめとして、医師、看護師、その他医療従事者が共同して栄養管理を行う体制を整備し、あらかじめ栄養管理手順(栄養スクリーニングを含む栄養状態の評価、栄養管理計画、定期的な評価等)を作成すること。

(3) 入院時に患者の栄養状態を医師、看護職員、管理栄養士が共同して確認し、特別な栄養管理の必要性の有無について入院診療計画書に記載していること。

(4) (3)において、特別な栄養管理が必要と医学的に判断される患者について、栄養状態の評価を行い、医師、管理栄養士、看護師その他の医療従事者が共同して、当該患者ごとの栄養状態、摂食機能及び食形態を考慮した栄養管理計画(別添6の別紙23 又はこれに準じた様式とする。)を作成していること。なお、救急患者や休日に入院した患者など、入院日に策定できない場合の栄養管理計画は、入院後7日以内に策定することとする。

(5) 栄養管理計画には、栄養補給に関する事項(栄養補給量、補給方法、特別食の有無等)、栄養食事相談に関する事項(入院時栄養食事指導、退院時の指導の計画等)、その他栄養管理上の課題に関する事項、栄養状態の評価の間隔等を記載すること。また、当該計画書又はその写しを診療録等に添付すること。

(6) 当該患者について、栄養管理計画に基づいた栄養管理を行うとともに、当該患者の栄養状態を定期的に評価し、必要に応じて栄養管理計画を見直していること。

(7) 特別入院基本料等を算定する場合は、(1)から(6)までの体制を満たしていることが望ましい。

(8) (1)に規定する管理栄養士は、1か月以内の欠勤については、欠勤期間中も(1)に規定する管理栄養士に算入することができる。なお、管理栄養士が欠勤している間も栄養管理のための適切な体制を確保していること。

(9) 当該保険医療機関(診療所を除く。)において、管理栄養士の離職又は長期欠勤のため、(1)に係る基準が満たせなくなった場合、地方厚生(支)局長に届け出た場合に限り、当該届出を行った日の属する月を含む3か月間に限り、従前の入院基本料等を算定できる。

6 医科点数表第1章第2部通則第8号及び歯科点数表第1章第2部入院料等通則第7号に規定する基準当該保険医療機関内に、非常勤の管理栄養士又は常勤の栄養士が1名以上配置されていること。

第1の2 歯科点数表第1章基本診療料第2部入院料等通則第6号ただし書に規定する入院基本料(特別入院基本料等を含む。)及び特定入院料に係る入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策及び栄養管理体制の基準

入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策及び栄養管理体制の基準は、「基本診療料の施設基準等」の他、次のとおりとする。

1 第1の1から4までのいずれにも該当するものであること。

2 栄養管理体制の基準

(1) 当該保険医療機関内(診療所を除く。)に、栄養管理を担当する管理栄養士が1名以上配置されていること。

(2) 管理栄養士をはじめとして、歯科医師、看護職員、その他医療従事者が共同して栄養管理を行う体制を整備し、あらかじめ栄養管理手順(栄養スクリーニングを含む栄養状態の評価、栄養管理計画、定期的な評価等)を作成すること。

(3) 入院時に患者の栄養状態を歯科医師、看護師、管理栄養士が共同して確認し、特別な栄養管理の必要性の有無について入院診療計画書に記載していること。

(4) (3)において、特別な栄養管理が必要と医学的に判断される患者について、栄養状態の評価を行い、歯科医師、管理栄養士、看護師その他の医療従事者が共同して、当該患者ごとの栄養状態、摂食機能及び食形態を考慮した栄養管理計画(別添6の別紙23 又はこれに準じた様式とする。)を作成していること。なお、救急患者や休日に入院した患者など、入院日に策定できない場合の栄養管理計画は、入院後7日以内に策定することとする。

(5) 栄養管理計画には、栄養補給に関する事項(栄養補給量、補給方法、特別食の有無等)、栄養食事相談に関する事項(入院時栄養食事指導、退院時の指導の計画等)、その他栄養管理上の課題に関する事項、栄養状態の評価の間隔等を記載すること。また、当該計画書又はその写しを診療録等に添付すること。

(6) 当該患者について、栄養管理計画に基づいた栄養管理を行うとともに、当該患者の栄養状態を定期的に評価し、必要に応じて栄養管理計画を見直していること。

(7) 特別入院基本料等及び短期滞在手術等基本料1を算定する場合は、(1)から(6)までの体制を満たしていることが望ましい。

(8) (1)に規定する管理栄養士は、1か月以内の欠勤については、欠勤期間中も(1)に規定する管理栄養士に算入することができる。なお、管理栄養士が欠勤している間も栄養管理のための適切な体制を確保していること。

(9) 当該保険医療機関(診療所を除く。)において、管理栄養士の離職又は長期欠勤のため、(1)に係る基準が満たせなくなった場合、地方厚生(支)局長に届け出た場合に限り、当該届出を行った日の属する月を含む3か月間に限り、従前の入院基本料等を算定できる。

第2 病院の入院基本料等に関する施設基準

病院である保険医療機関の入院基本料等に関する施設基準は、「基本診療料の施設基準等」の他、下記のとおりとする。

1 病棟の概念は、病院である保険医療機関の各病棟における看護体制の1単位をもって病棟として取り扱うものとする。なお、高層建築等の場合であって、複数階(原則として二つの階)を1病棟として認めることは差し支えないが、三つ以上の階を1病棟とすることは、2の(3)の要件を満たしている場合に限り、特例として認められるものであること。また、感染症病床が別棟にある場合は、隣接して看護を円滑に実施できる一般病棟に含めて1病棟とすることができる。平均入院患者数が概ね30 名程度以下の小規模な結核病棟を有する保険医療機関については、一般病棟(一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)、専門病院入院基本料又は障害者施設等入院基本料を算定する病棟)と結核病棟を併せて1看護単位とすることはできるが、看護配置基準が同じ入院基本料を算定する場合に限る。ただし、結核病床を構造上区分すること等医療法で規定する構造設備の基準は遵守するものとし、平均在院日数の計算に当たっては、一般病棟のみにより計算するものとし、一般病棟が急性期一般入院基本料、7対1入院基本料又は10 対1入院基本料の届出を行う病棟である場合及び結核病棟が7対1入院基本料又は10 対1入院基本料の届出を行う病棟である場合には、原則として一般病棟及び結核病棟で別々に重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの評価を行うものとするが、7対1入院基本料の結核病棟のみで重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの基準を満たせない場合に限り、両病棟全体で重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの評価を行い、重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの基準を満たすことで差し支えないものとする。

2 1病棟当たりの病床数に係る取扱いについては、次のとおりとする。

(1) 1病棟当たりの病床数については、①効率的な看護管理、②夜間における適正な看護の確保、③当該病棟に係る建物等の構造の観点から、総合的に判断した上で決定されるものであり、原則として60 床以下を標準とする。ただし、精神病棟については、70 床まではやむを得ないものとする。

(2) (1)の病床数の標準を上回っている場合については、①2以上の病棟に分割した場合には、片方について1病棟として成り立たない、②建物構造上の事情で標準を満たすことが困難である、③近く建物の改築がなされることが確実である等、やむを得ない理由がある場合に限り、認められるものであること。

(3) 複数階で1病棟を構成する場合又は別棟にある感染症病床を含めて1病棟を構成する場合についても上記(1)及び(2)と同様であるが、いわゆるサブナース・ステーションの設置や看護要員の配置を工夫すること。

3 平均在院日数については次の点に留意すること。

(1) 平均在院日数を算出するに当たり対象となる入院患者は、保険診療に係る入院患者(「基本診療料の施設基準等」の別表第二に規定する入院患者を除く。)であること。

(2) 平均在院日数については、直近3か月間の数値を用いて別添6の別紙4により計算すること。なお、平均在院日数は小数点以下は切り上げること。また、短期滞在手術等基本料3を算定した患者であって6日以降も入院する場合は、入院日から起算した日数を含めて平均在院日数を計算すること。

4 入院患者の数及び看護要員の数等については下記のとおりとする。

(1) 入院患者の数については、次の点に留意する。

ア 入院患者の数は、当該日の24 時現在当該病棟に入院中の患者をいい、当該病棟に入院してその日のうちに退院又は死亡した者を含むものである。また、保険診療に係る入院患者のほか、正常の妊産婦、生母の入院に伴って入院した健康な新生児又は乳児、人間ドックなどの保険外診療の患者であって、看護要員を保険診療を担当する者と保険外診療を担当する者とに明確に区分できない場合の患者を含むものであること。なお、救急患者として受け入れ、処置室、手術室等において死亡した患者について入院料を算定する場合であっても、当該患者については、入院患者の数に計上しない。

イ 入院患者の数については、届出時の直近1年間(届出前1年から6か月の間に開設又は増床を行った保険医療機関にあっては、直近6か月間とする。)の延入院患者数を延日数で除して得た数とし、小数点以下は切り上げる。なお、届出前6か月の間に開設又は増床した病棟を有する保険医療機関に係る入院患者の数の取扱いについては、便宜上、開設又は増床した病床数に対し、一般病棟にあっては一般病棟の病床数の80%、療養病棟にあっては療養病棟の病床数の90%、結核病棟にあっては結核病棟の病床数の80%、精神病棟にあっては精神病棟の病床数の100%を、実績の値に加えた数とする。

また、一般病棟に感染症病床がある場合は、届出時の直近1年間の入院患者数が0であっても、感染症病床数の5%をもって感染症病床に係る入院患者の数とすることができる。

ウ 届出前1年の間に減床を行った保険医療機関については、減床後の実績が3か月以上ある場合は、減床後の延入院患者数を延日数で除して得た数とする。なお、減床後から3か月未満の期間においては、減床後の入院患者数の見込みをもって届出を行うことができるものとするが、当該入院患者数が、減床後3か月の時点での減床後の延入院患者数を延日数で除して得た数を満たしていないことが判明したときは、当該届出は遡って無効となり、変更の届出を行わせること。

エ 病棟単位で算定する特定入院料(区分番号「A317」に掲げる特定一般病棟入院料を除く。)、「基本診療料の施設基準等」の別表第三に規定する治療室、病室及び短期滞在手術等基本料1に係る回復室に入院中の患者については、入院患者の数から除く。

(2) 看護要員の数については、次の点に留意する。

ア 看護要員の数は、届出時の看護要員の数とする。

イ 当該届出病棟に配置されている看護要員の数は、1勤務帯8時間で1日3勤務帯を標準として、月平均1日当たりの要件を満たしていること。なお、出産、育児又は家族介護に関する休業等が確保されるよう配慮を行うこと。

ウ 看護要員の数は、病棟において実際に入院患者の看護に当たっている看護要員の数であり、その算定に当たっては、看護部長等(専ら、病院全体の看護管理に従事する者をいう。)、当該保険医療機関附属の看護師養成所等の専任教員、外来勤務、手術室勤務又は中央材料室勤務等の看護要員の数は算入しない。

エ 病棟勤務と外来勤務、手術室勤務、中央材料室勤務又は集中治療室勤務等を兼務する場合は、勤務実績表による病棟勤務の時間を看護要員の数に算入する。

オ 臨時職員であっても継続して勤務に服する者は、給与の支払方式が日給制であるか否かにかかわらず、看護要員の数に算入することができる。ただし、継続勤務については、特に被保険者証等により確認する必要はなく、実態に応じて判断すること。なお、職業安定法(昭和22 年法律第141 号)の規定に基づき、職業紹介事業を行う者からの紹介又は労働者供給事業を行う者からの供給により看護要員を雇用した場合、労働者派遣事業の適切な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60 年法律第88 号)に基づき、紹介予定派遣として派遣された場合及び産前産後休業、育児休業、育児休業に準ずる休業又は介護休業中の看護職員の勤務を派遣労働者が代替する場合は、雇用期間にかかわらず看護要員の数に算入することができる。また、看護補助者の雇用形態は問わない(派遣職員を含むが、指揮命令権が当該保険医療機関にない請負方式等を除く。)。

カ 病棟単位で算定する特定入院料(区分番号「A317」に掲げる特定一般病棟入院料を除く。)に係る病棟並びに「基本診療料の施設基準等」の別表第三に規定する治療室、病室、短期滞在手術等基本料1に係る回復室及び外来化学療法に係る専用施設に勤務する看護要員の数は、兼務者を除き算入できない。

キ 看護補助者の数については、次の点に留意する。

(イ) 看護補助者の数を算出するに当たっては、看護職員を看護補助者とみなして差し支えない。なお、入院基本料等の施設基準に定める必要な数を超えて配置している看護職員を看護補助者とみなす(以下「みなし看護補助者」という。)場合には、看護職員の勤務実績に基づいて、実際に勤務した看護職員の総勤務時間数から、当該届出区分において勤務することが必要となる看護職員数の総勤務時間数を差し引いた数を、看護補助者の勤務時間数として算入する。

(ロ) 小児病棟又は特殊疾患入院施設管理加算を算定している病棟等において小児患者の保育に当たっている保育士は、看護補助者の数に算入することができる。ただし、小児入院医療管理料の加算の届出に係る保育士については、看護補助者として算入することはできない。

(ハ) 主として事務的業務を行う看護補助者を配置する場合は、常時、当該病棟の入院患者の数が200 又はその端数を増すごとに1以下であること。

主として事務的業務を行う看護補助者の数の算出に当たっては、当該保険医療機関の院内規程において、看護補助者が行う事務的業務の内容を定めた上で、1人の看護補助者の延べ勤務時間数のうち事務的業務が5割以上を占める看護補助者を、「主として事務的業務を行う看護補助者」として算入すること。また、主として事務的業務を行う看護補助者については、当該病棟において事務的業務以外の業務を行った時間数も含めて、当該看護補助者の勤務時間数を算入すること。

ク 1か月以上長期欠勤の看護要員、身体障害者(児)に対する機能訓練指導員及び主として洗濯、掃除等の業務を行う者は看護要員に算入しない。

(3) 夜間における勤務(以下「夜勤」という。)については、次の点について留意する。

ア 「夜勤」とは、各保険医療機関が定める午後10 時から翌日の午前5時までの時間を含めた連続する16 時間(以下「夜勤時間帯」という。)の間において、現に勤務することをいい、当該夜勤時間帯に現に勤務した時間数を「夜勤時間数」という。なお、各保険医療機関において、当該夜勤時間帯を定める場合には、夜勤時間帯以外の時間帯(以下「日勤帯」という。)が、夜勤時間帯と重なる時間が、当該日勤帯の2分の1以下とすること。

イ 看護要員の名簿及び勤務実績表により、各病棟(精神病棟入院基本料の特別入院基本料等以外の特別入院基本料等を算定する病棟を除く。)ごとに次の要件が満たされていること。

(イ) 看護要員は、常時2人以上であること。

(ロ) 一般病棟、結核病棟及び精神病棟においては、看護職員を2人以上配置していること(精神病棟入院基本料の特別入院基本料等を除く。)。

(ハ) 療養病棟においては、看護職員1人と看護補助者1人の計2人以上の配置であっても差し支えない。

(ニ) (イ)から(ハ)までの要件を満たしている場合は、曜日や時間帯によって、夜勤の従事者が変動することは差し支えない。

ウ 特定入院料(地域包括ケア入院医療管理料を除く。また、小児入院医療管理料4、特殊疾患入院医療管理料又は児童・思春期精神科入院医療管理料については、病棟単位で算定する場合に限る。)を算定している病棟に係る看護要員は、夜勤時間数の計算対象としないこと。

エ 夜勤に従事する看護要員の月当たり延べ夜勤時間数は、1か月又は4週間の当該夜勤時間帯に従事した時間数をいう。

オ 月平均夜勤時間数は、同一の入院基本料を算定する病棟全体(同一の入院基本料を算定する複数の病棟(看護単位)を持つ病院にあっては、当該複数の病棟を合わせた全体)で届出前1か月又は4週間の夜勤時間帯に従事する看護職員の延夜勤時間数を夜勤時間帯に従事した実人員数で除して得た数とし、当該月当たりの平均夜勤時間数の直近1か月又は直近4週間の実績の平均値により、72 時間以下であること。すなわち、月平均夜勤時間数は、同一の入院基本料を算定する病棟全体で計算するものであり、病棟(看護単位)ごとに計算するものではないため、病棟(看護単位)ごとに月平均夜勤時間数が72 時間以下である必要はないものであること。

また、新規届出直後においては、当該病棟の直近3か月間又は12 週間の実績の平均値が要件を満たしていれば差し支えない。

なお、療養病棟入院基本料を算定する病棟の看護職員については、この限りではないこと。

カ 月平均夜勤時間数の計算に含まれる実人員数及び延べ夜勤時間数については、次の点に留意する。

(イ) 専ら夜勤時間帯に従事する者(以下「夜勤専従者」という。)は、実人員数及び延べ夜勤時間数に含まないこと。

(ロ) 夜勤時間帯に看護職員が病棟勤務と外来勤務等を兼務する場合は、当該看護職員が夜勤時間帯に当該病棟で勤務した月当たりの延べ時間を、当該看護職員の月当たりの延べ夜勤時間(病棟と病棟以外の勤務の時間を含む。)で除して得た数を、夜勤時間帯に従事した実人員数として算入すること。

(ハ) 急性期一般入院基本料、7対1入院基本料及び10 対1入院基本料の病棟の実人員数及び延べ夜勤時間数には、月当たりの夜勤時間数が16 時間未満の者は含まないこと。ただし、短時間正職員制度を導入している保険医療機関の短時間正職員については、月当たりの夜勤時間数が12 時間以上のものを含む。

(ニ) 急性期一般入院基本料、7対1入院基本料及び10 対1入院基本料以外の病棟の実人員数及び延べ夜勤時間数には、月当たりの夜勤時間数が8時間未満の者は含まないこと。

(ホ) 夜勤時間帯の中で申し送りに要した時間は、申し送った看護職員の夜勤時間から除いて差し支えない。ただし、当該申し送りに要した時間の除外の有無については、原則として、同一の入院基本料を算定する病棟全体において、月単位で選択すること。

キ 週当たりの所定労働時間は、40 時間以内であること。

ク 夜勤専従者の夜勤時間については、夜勤による勤務負担が過重とならないよう十分配慮すること。

ケ 上記(2)のアからクまで及び(3)のアからクまでに係る看護要員の配置数、人員構成及び夜間勤務に係る具体的な算出方法等については、別添6の別紙5の例を参考とすること。

(4) 看護の勤務体制は、次の点に留意する。

ア 看護要員の勤務形態は、保険医療機関の実情に応じて病棟ごとに交代制の勤務形態をとること。

イ 同一の入院基本料を算定する病棟全体で1日当たり勤務する看護要員の数が所定の要件を満たす場合は、24 時間一定の範囲で傾斜配置することができる。すなわち、1日当たり勤務する看護要員の数の要件は、同一の入院基本料を算定する病棟全体で要件を満たしていればよく、病棟(看護単位)ごとに要件を満たす必要はないため、病棟(看護単位)ごとに異なる看護要員の配置を行うことができるとともに、1つの病棟の中でも24 時間の範囲で各勤務帯において異なる看護要員の配置を行うことができるものであること。なお、各勤務帯に配置する看護職員の数については、各病棟における入院患者の状態(重症度、医療・看護必要度等)について評価を行い、実情に合わせた適正な配置数が確保されるよう管理すること。

ウ 特別入院基本料を算定している保険医療機関については、各病棟の看護要員数の2割を看護師とすることが望ましい。

(5) 看護要員の配置に係る情報提供は、次の点に留意する。

ア 各勤務帯のそれぞれで、1人の看護要員が、実際に受け持っている入院患者の数を各病棟内に掲示すること。また、複数の病棟間で傾斜配置をしている場合には、各病棟の看護要員の配置状況を掲示すること。

イ アの掲示については、第3「届出受理後の措置等」の7の掲示例によること。

(6) 看護の実施は、次の点に留意する。

ア 看護は、当該保険医療機関の看護要員のみによって行われるものであり、当該保険医療機関において患者の負担による付添看護が行われてはならない。ただし、患者の病状により、又は治療に対する理解が困難な小児患者又は知的障害を有する患者等の場合は、医師の許可を得て家族等患者の負担によらない者が付き添うことは差し支えない。なお、患者の負担によらない家族等による付添いであっても、それらが当該保険医療機関の看護要員による看護を代替し、又は当該保険医療機関の看護要員の看護力を補充するようなことがあってはならない。

イ ①病状の観察、②病状の報告、③身体の清拭、食事、排泄等の世話等療養上の世話、④診察の介補、⑤与薬・注射・包帯交換等の治療の介助及び処置、⑥検温、血圧測定、検査検体の採取・測定、検査の介助、⑦患者、家族に対する療養上の指導等患者の病状に直接影響のある看護は、看護師又は看護師の指示を受けた准看護師が行うものである。看護補助者は、看護師長及び看護職員の指導の下に、原則として療養生活上の世話(食事、清潔、排泄、入浴、移動等)、病室内の環境整備やベッドメーキングのほか、病棟内において、看護用品及び消耗品の整理整頓、看護職員が行う書類・伝票の整理及び作成の代行、診療録の準備等の業務を行うこととする。

なお、看護補助者の業務範囲について、「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について」(平成19 年12 月28 日医政発第1228001 号)にある、「2役割分担の具体例 (1)医師、看護師等の医療関係職と事務職員等との役割分担」に基づく院内規程を定めており、個別の業務内容を文書で整備していること。

ウ 個々の患者の病状にあった適切な看護が実施されていること。また、効果的な医療が提供できるよう患者ごとに看護計画が立てられ、その計画に沿って看護が実施されるよう配慮すること。

エ 看護に関する記録としては、看護体制の1単位ごとに別添6の別紙6に掲げる記録がなされている必要がある。なお、これらの記録の様式・名称等は各病院が適当とする方法で差し支えないが、記録の作成に際しては、重複を避け簡潔明瞭を旨とすること。

オ 当該届出に係る各病棟の看護単位ごとに看護の責任者が配置され、看護チームによる交代制勤務等の看護が実施され、ナース・ステーション等の設備を有し、看護に必要な器具器械が備え付けられていること。

18 一般病棟入院基本料、結核病棟入院基本料、精神病棟入院基本料、専門病院入院基本料、障害者施設等入院基本料における夜間看護体制特定日減算について当該減算は、許可病床数が100 床未満の病院において、夜間、病棟の看護職員が一時的に救急外来で勤務する間、病棟の看護職員体制は、看護職員1名を含め看護職員と看護補助者を合わせて2名以上であること。ただし、当該時間帯の入院患者数が30 人以下の場合は、看護職員1名で差し支えない。加えて、当該時間帯に当該病棟の看護職員が一時的に救急外来で勤務する間、当該病棟の看護に支障がないと当該病棟を担当する医師及び看護の管理者が判断した場合に限ること。

第5 入院基本料の届出に関する事項

1 病院の入院基本料の施設基準に係る届出について

(1) 病院の入院基本料の施設基準に係る届出は、別添7の様式5から様式11(様式11 については、一般病棟において感染症病床を有する場合に限る。)までを用いること。なお、別添7の様式6の2については、療養病棟入院基本料を届け出る場合に用い、別添7の様式10、様式10 の2及び様式10 の5については、急性期一般入院料1及び7対1入院基本料を届け出る場合に用い、別添7の様式10 については、急性期一般入院料2から6まで、10 対1入院基本料、看護必要度加算又は一般病棟看護必要度評価加算を届け出る場合に用い、別添7の様式5の5については、ADL維持向上等体制加算を届け出る場合に用い、別添7の様式10 の8については、在宅復帰機能強化加算を届け出る場合に用い、別添7の様式10 の7については、精神保健福祉士配置加算を届け出る場合(精神病棟入院基本料を算定している病院に限る。)に用いること。また、当該病棟に勤務する看護要員の名簿については別添7の様式8を用いること。この場合において、病棟の勤務実績表で看護要員の職種が確認できる場合は、様式8を省略することができること。ただし、一般病棟、療養病棟及び結核病棟の特別入院基本料等の届出は、別添7の様式6及び様式7を用いること。

(2) 令和4年10 月1日以降において、急性期一般入院料2から5までの届出を行うに当たっては、現に急性期一般入院基本料を届け出ている病棟であって、重症度、医療・看護必要度に係る基準以外の施設基準を満たしている場合に限り、(1)の規定にかかわらず、様式10 のみを用いて届け出れば足りることとする。

(3) 療養病棟入院基本料の注12 に規定する夜間看護加算及び看護補助体制充実加算並びに障害者施設等入院基本料の注9に規定する看護補助加算及び看護補助体制充実加算を届け出る場合は、別添7の様式9、様式13 の3及び様式18 の3を用い、当該加算に係る看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制について、毎年7月において、前年度における看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する計画の取組状況を評価するため、別添7の様式13 の3を届け出ること。また、当該加算の変更の届出にあたり直近の7月に届け出た内容と変更がない場合は、「夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等」の該当項目数が要件にない場合に限り様式13 の3の届出を略すことができること。

(4) 一般病棟入院基本料、療養病棟入院基本料、7対1入院基本料、10 対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料に限る。)、13 対1入院基本料(専門病院入院基本料に限る。)又は障害者施設等入院基本料を届け出る際にはデータ提出加算の届出の写しを添付すること。

(5) 療養病棟入院基本料の施設基準における「適切な意思決定支援に関する指針」及び「中心静脈注射用カテーテルに係る感染を防止するにつき十分な体制」に係る第2の4の12 のアの届出については、別添7の様式5の6を用いること。

(6) 特定機能病院入院基本料の注11 に規定する入院栄養管理体制加算の届出は、別添7の様式5の8を用いること。

2 一般病棟入院基本料(特別入院基本料を除く。)、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料を算定する病棟のうち、当該病棟に90 日を超えて入院する患者について、療養病棟入院料1の例により算定を行う病棟については、別添の様式10 の6により地方厚生(支)局長に届け出ること。

3 診療所の入院基本料の施設基準に係る届出は、別添7の様式5及び様式12 から様式12 の10 までを用いること。ただし、有床診療所(療養病床に限る。)の特別入院基本料の届出は、別添7の様式12 を用い、有床診療所の栄養管理実施加算の届出は、別添7の様式12 の8を用いること。また、有床診療所の在宅復帰機能強化加算の届出は入院基本料の届出とは別に行うこととし、一般病床については別添7の様式12 の9を用い、療養病床については別添7の様式12 の10 を用いること。

4 管理栄養士の離職又は長期欠勤のため栄養管理体制の基準を満たせなくなった病院については、栄養管理体制の基準が一部満たせなくなった保険医療機関として、別添7の様式5の3及び様式6を用いて届出を行うこと。

5 届出は、病院である保険医療機関において、全病棟包括的に行うことを原則とするが、一般病棟、療養病棟、結核病棟及び精神病棟を有する保険医療機関については、一般病棟、療養病棟、結核病棟及び精神病棟につき、それぞれ区分し、当該病棟種別の病棟全体につき包括的に届出を行う。

6 5の規定にかかわらず、別紙2に掲げる医療を提供しているが医療資源の少ない地域に属する保険医療機関(特定機能病院、許可病床数が400 床以上の病院、DPC対象病院及び一般病棟入院基本料に係る届出において急性期一般入院料1のみを届け出ている病院を除く。)において、一般病棟入院基本料の届出を行う場合には、病棟全体で包括的に届出を行うのではなく、看護配置が異なる病棟ごとに届出を行っても差し支えない。

7 病棟内に特定入院料の各区分に該当する入院医療を行う病床を有する場合(特殊疾患入院医療管理料、小児入院医療管理料4及び地域包括ケア入院医療管理料1、2、3又は4を算定している病床を除く。)は、これらの病床以外の病棟全体(複数の病棟種別がある場合は、当該病床種別の病棟全体)を単位として行う。

8 有床診療所入院基本料の届出は、当該診療所の全病床(療養病床に係る病床を除く。)について包括的に行い、有床診療所療養病床入院基本料の届出は、療養病床に係る病床について包括的に行う。

9 入院基本料等の施設基準の届出に当たっては、届出を行おうとする基準について、特に規定がある場合を除き、届出前1か月の実績を有していること。なお、届出前1か月の実績は、例えば一般病床である特殊疾患病棟入院料を算定していた病棟を、療養病床に転換し療養病棟入院基本料の施設基準の届出を行う場合に、特殊疾患病棟入院料を算定していた期間の人員配置基準を実績として用いるなど、入院料の種別の異なる期間の実績であっても差し支えないこと。なお、有床診療所入院基本料の夜間看護配置加算1又は2の届出を行う場合の届出前1か月の実績には、入院患者がいない日を除くことができるものとする。

10 平均在院日数の要件は満たしていないものの、看護職員の数及びその他の要件を全て満たしている保険医療機関の開設者から、届出直後の3か月間における平均在院日数を所定の日数以内とすることができることを明らかにした病棟運営計画書を添付した場合には、届出の受理を行うことができる。この場合、届出直後の3か月間における平均在院日数が、所定の日数以内とならなかったことが判明したときには、当該届出は無効となる。

11 新たに開設された保険医療機関が入院基本料の施設基準に係る届出を行う場合は、届出時点で、精神病棟入院基本料の特別入院基本料の基準を満たしていれば、実績がなくても入院基本料の特別入院基本料の届出を行うことができる。また、有床診療所入院基本料にあっては、有床診療所入院基本料6の基準を満たしていれば、実績がなくても有床診療所入院基本料6の届出を行うことができる。ただし、この場合は、1か月後に適時調査を行い、所定の基準を満たしていないことが判明したときは、当該届出は無効となる。

12 当該保険医療機関が届け出ている入院基本料を算定する病棟において、増床又は減床が行われ、届出の内容と異なる事情等が生じた場合には、速やかに変更の届出を行うこと。なお、増床に伴い、既に届け出ている入院基本料以外の入院基本料の届出の必要が生じた場合には、実績がなくても基準を満たす入院基本料の届出を行うことができる。ただし、この場合は、1か月後に適時調査を行い、所定の基準を満たしていないことが判明したときは、当該届出は無効となる。

13 第2の2の(1)の1病棟の病床数の標準を上回る場合の届出に係る取扱いは次のとおりであること。

(1) 第2の2の(2)に該当することが確認された場合には、届出を受理する。なお、当該事情が解消され次第、標準規模の病棟になるよう指導すること。

(2) 既に標準を超えた規模で届出が受理されている病棟については、新たな届出を行う際に改善をさせた上で届出を受理するものとする。ただし、第2の2の(2)の①から③までに掲げたやむを得ない理由が存在する場合には、届出を受理しても差し支えないものとする。なお、当該事情が解消され次第、標準規模のものとなるよう指導するものとする。

14 医療法及び感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10 年法律第114 号。以下「感染症法」という。)の規定に基づき、感染症指定医療機関の指定を受けようとする保険医療機関は、その旨を届け出ること。

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